✅️冷えと乾燥は首シワの大敵です
冬になると、顔の乾燥ケアには気を配っているのに、首まわりはつい後回しになりがち。
けれど実際には、一年の中でもっとも首が過酷な環境に置かれているのは、「冬の首」かもしれません。
気象庁のデータで東京の2024年・月別平均湿度を見ると、もっとも湿度が低いのは1月と12月で、どちらも平均湿度はおよそ54%前後。
いちばん高い9月(約81%)と比べると、ざっくり27ポイントほど低い水準になります。
秋から冬にかけて、空気そのものが「しっとり」から「カラカラ」へ一気に切り替わるイメージ。
そこにエアコンやストーブなどの暖房が加わり、室内でも首もとは常に乾燥方向へ引っ張られていきます。
その結果、首のシワには二つのタイプが進みやすくなります。
- 乾燥でまず目立ちやすくなる、細かな「縦ジワ」やちりめん状のシワ
- 筋肉の衰えや姿勢のクセと結びつき、時間をかけて深く刻まれていく「横ジワ」
冬の首ケアを考えるときは、この二つを分けてとらえたほうが整理しやすくなります。
ここからは「冬に首のシワが進みやすい理由」と「今日からできる対策」を、3つのポイントにわけてわかりやすく解説します。
✅️冬の“カラカラ環境”が削っていくもの
まず狙われるのは、首のうるおいと縦ジワの防御線
冬の首ジワでいちばん分かりやすい要因が、乾燥。
外では冷たく乾いた空気、室内では暖房の風。
さらにマフラーやハイネックで守っているつもりが、内側のムレと乾燥を繰り返し、角層の水分をじわじわ奪っていきます。
首はもともと、顔と比べて
- 皮脂量が少ない
- 年齢とともに水分を抱える力やハリが低下しやすい
という性質を持つパーツ。 そのため、まず最初に現れやすいのが、細かな縦ジワやちりめん状の浅いシワになります。
深く刻まれた溝のようなシワをスキンケアだけで消すことは現実的ではない一方で、乾燥が中心となって目立っている浅い縦ジワであれば、「これ以上ひどくさせない」「少し落ち着かせる」というラインはねらえます。
● お風呂あがり30秒の“首まで保湿ルーティン”
乾燥由来の縦ジワ対策は、生活の中に組み込んでしまうと続けやすくなります。 おすすめは「お風呂あがり=首まで保湿」のセット化。
- タオルで首をゴシゴシこすらず、水気をそっと押さえるだけにする
- 顔に使う化粧水や美容液を、そのまま首〜デコルテまでなじませる
- その上から、ややコクのある乳液やクリームでフタをする
- 手のひらで下から上へ、縦方向にすべらせるようになじませる
難しいテクニックよりも、「毎日同じ順番で手を動かすこと」に価値があるゾーン。 冬のあいだだけでも、この30秒を首に割り当てておくと、春先の肌印象に差が出てきます。
✅️スマホ首と冷えが作る、“横ジワの固定跡”
姿勢と筋肉のクセで刻まれていくシワ
横に走る首のシワは、乾燥だけでは説明しきれない領域。 ここでは「姿勢」と「筋肉の使い方」が主役になります。
冬になると、こんなクセが増えがちになります。
- 寒さで肩をすくめ、首を縮めた姿勢が長時間続く
- コートやマフラーで首元が重くなり、自然とあごを引き気味に保ちやすい
- 布団の中やこたつで、うつむいた姿勢のままスマホを長時間見続ける
この「うつむき時間」が積み重なると、首の前側と広頚筋が、いつも同じラインで折れ曲がった状態に固定されていきます。 一時的な折れジワが、少しずつ「残りやすい溝」に変わっていく流れです。
● 横ジワを深くしないための、冬のクセづけ
横ジワ対策でまず見直したいのは、保湿より先に「首の角度と目線」。
- スマホは胸の位置ではなく、できるだけ目線に近い高さまで持ち上げる
- ベッドやこたつで画面を見る時間を区切り、長時間の連続使用を避ける
- ノートPCはスタンドや本で高さを上げ、画面上端が目線と同じくらいの位置になるよう調整する
首を変えるよりも、「目線の高さを上げる」と考えたほうが動きやすくなります。
もう一つの柱が、「温めてから、やさしく伸ばす」習慣。
- お風呂上がり、首のうしろ〜肩に温かいタオルを一〜二分のせる
- 正面→少し上を向く動きを、呼吸に合わせてゆっくり数回
- 左右に首を倒し、側面の筋肉を軽くストレッチ
これだけでも、首まわりの緊張がゆるみ、「同じ場所だけで折れ続ける」状態から少し外れやすくなります。 横ジワそのものをゼロにするのは難しくても、「これ以上深く刻まれるスピードをゆるめる」という現実的なゴールには届きやすくなります。
✅️実は厚着が首シワを加速させている?
守っているつもりで、首老化に加担しているパターン
冬は「首を守っているつもり」で、実は負担をかけているケースも多い季節。
- ウールのマフラーによるチクチクした摩擦
- タートルネックやハイネックの縫い目・タグが首に当たる刺激
- コートの固い襟が、毎日同じラインをこすり続けるクセ
こうした日常的な「こすれ」は、角層を少しずつ削り、バリア機能を乱しやすい要因。 乾燥が進み、縦ジワやちりめんジワが悪化しやすい土台ができていく流れです。
さらに見落とされやすいのが、冬の紫外線。 真夏のような強烈さはなくても、しわやたるみに関係するUVAは一年を通して届き続けます。 顔ほど意識されない首もとは、無防備なまま浴び続けてしまいやすいポイント。
● 首に触れるものの見直しと、“冬こそ首にもUV”という発想
まずは、首まわりに触れる素材と当たり方から調整。
- 肌に直接ふれる部分は、できるだけコットンやシルク混など、なめらかな素材を選ぶ
- マフラーのタグや固い縫い目が首に当たらないよう、巻き方や位置を少しずらす
- いつも同じマフラーを同じ巻き方で使う場合、摩擦ラインが固定されないよう時々変化をつける
摩擦が減るだけでも、乾燥由来の縦ジワの悪化はかなり抑えやすくなります。
次に足しておきたいのが、「冬でも首に日焼け止め」という発想。
- 朝、顔に日焼け止めや下地を塗った手で、そのまま首の前側〜側面まで軽くなじませる
- 外にいる時間が長い日は、マフラーを外したタイミングで少量を塗り重ねる
「夏だけしっかり、冬はほぼゼロ」という極端な切り替えから、「一年中うすくガードしておく」スタイルに変えていくイメージです。
まとめ:冬の首シワは「縦ジワ」と「横ジワ」を分けて考える
冬に目立ちやすくなる首のシワは、大きく二つのグループに分かれます。
- 乾燥や摩擦が中心となって目立ってくる「縦ジワ・ちりめんジワ」
- 筋肉の低下や姿勢のクセ、たるみと結びついて深く刻まれていく「横ジワ」
縦ジワ側には、
- 入浴後の首まで保湿ルーティン
- 摩擦を減らす服やマフラー選び
- 冬でも首に日焼け止めをなじませておく習慣
といった、「バリアと乾燥コントロール」を。
横ジワ側には、
- スマホやPCの位置を見直してうつむき時間を減らす
- 首を温めてから前後左右にやさしく伸ばす
- 寒さで肩をすくめっぱなしの姿勢を、その都度リセットする意識
冬は首にとって負担の大きい季節ですが、 保湿・姿勢・摩擦と紫外線、この三つを少しだけ冬仕様に調整しておくだけでも、数年後の首もとの印象は静かに変わっていきます。
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